スープのあしあと
年末年始・連続の「路上訪問」3日目・元旦開けて2日。
「俺の指見てくれ。こんなんなっちゃったよ。」
痛いから診てくれ、というのではない。ちょっと自慢げに、誇らしげに見せてくれるので、パチリと撮らせてもらいました。
働きものの、おっちゃんの手。
アルミ缶の回収で夜通し歩き回り、アルミ缶業者に卸す。これもまた、住所の無い方々の貴重な現金収入。
「これから、夜11時くらいかな。それから初台の方までグルッとまわってくる。帰って来たら、朝の8時くらいだろ、それから回収業者がくるお昼まで寝ないで待ってんだ。いや、キツイよ~。それから公園で寝るんだよな。昼寝して怠けてやがる、なんていう奴もいるけど、冗談じゃないよ、時給にしたらいくらにもなんねえよ。」
一キロ当たり80円前後。月にすると2万から3万の収入にはなる。
真っ暗ななかで、ゴミ箱に手を入れるので、手袋をしてもいろんなものが指に刺さる。化膿したらむっくりと腫れる。
「いつもだから、いちいち医者には行けない。役所に行くのも嫌だから。ほっとけば治る。」
それを繰り返すうちに、こんなぶっとい、かさかさ指になる。
でも、寒いなかわざわざ手袋外して、その指をさらしてくれる。
おっちゃんが伝えたいものは、何なんだろうな。